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「人間ども集まれ!」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1967年01月25日号
〜1968年07月24日号
- 漫画サンデー 実業之日本社 未確認 連載 -
1968年12月25日 ホリデーコミックス 人間ども集まれ!(上) 実業之日本社 新書判 - -
1968年12月25日 ホリデーコミックス 人間ども集まれ!(下) 実業之日本社 新書判 - -
1973年07月10日 COM名作コミックス増刊 人間ども集まれ! 虫プロ商事 A5判 - -
1978年04月20日 手塚治虫漫画全集81巻 人間ども集まれ!1 講談社 B6判 -
1978年05月25日 手塚治虫漫画全集82巻 人間ども集まれ!2 講談社 B6判 -
1995年02月 文春文庫 人間ども集まれ!(上) 文芸春秋 文庫判 -
1995年02月 文春文庫 人間ども集まれ!(下) 文芸春秋 文庫判 -
1999年02月10日 - 人間ども集まれ!<完全版> 実業之日本社 A5判 -
2010年03月 手塚治虫文庫全集048 人間ども集まれ! 講談社 文庫判 -

『作品内容』
<第一章>"クランプ博士の生体実験 またはいかなる理由で天下太平が兵役を捨てて精液を提供したか"
自衛隊の義勇兵としてパイパニアへきた天下太平は脱走して逃げているうちに大伴博士に出会う。 二人はヒューマン大佐に捕まり軍用医学研究所へ送られる。 そこで太平はリーチ大尉の相手をしながら精子を絞り取られる。 所長のクランプ博士は試験管ベビーを作って将来的には彼らを兵士として使おうと考えていた。 大伴博士はそれなら働きアリのような第三の
性を作らねば無理だと話す。 そして太平の精子にはしっぽが二本ある事が明らかになる。

<第二章>"爆弾ゲリラ女との出会い 軍用医学研究所吹ッ飛ぶこと"
脱走した太平は女囚となっている元女ゲリラに出会う。 気が変わって研究所に戻った太平だったが、そのポケットには彼女がそっと入れた時限爆弾が入っていた。 研究所は吹っ飛び大伴は太平を探してさまよう。

<第三章>"追いつ追われつの巻"
太平と大伴とリーチは車で逃げ出すが、ゲリラに捕まってしまう。 大伴の持っていた書類は太平の精子に関する事だけであるが、ゲリラの女は他の重要軍事機密を求めて彼らを拷問にかける。 そのうち洪水になり、太平は女ゲリラを助ける。

<第四章>"かくて無声人間第1号は産声を上げ、パイパニア戦争は終結せり"
大伴は太平の精子と女ゲリラのリラの卵子を使った試験管ベビーの生産に成功する。 そしてパイパニア戦争は一応の終結を見、リーチ大尉は戦犯として処刑されるところを大伴に助けられる。 彼女は大伴に太平を冷血人間にするように要請される。

<第五章>"木座神明が呼び屋として遠大な計画を大伴黒主に打ち明ける事"
木座神は大伴と太平に会い、ある小島を買って太平天国と名づける。 そこに無性人間の国を作ろうというのだ。 その頃太平の精子によって作られた無性人間は200人近くになっていた。 一番最初に生まれた未来は働きアリのような習性でリラのいう事を受け、リーチ大尉に嫌がらせをする。 いよいよ島の準備が整ったとき、太平はリラと未来だけを連れて逃げ出す。
額の絵でヒョウタンツギが出演(p.166,176)

<第六章>"山小屋のカタストロフ"
木座神は黒滝親分に太平の探索およびリラの殺害を依頼する。 リラは殺し屋に殺され、怒りに震える太平と未来は山を下りる。 そこで太平は大伴と木座神に捕まるが未来は逃げおおせる事に成功する。 太平は南の島の「太平天国」へと向かう。

<第七章>"名もなく貧しく美しい太平天国における闘技場への行進曲"
太平天国における天下太平は木座神の演出によってヒトラーさながらだった。 大量生産された無性人間たちは戦争の道具として各国に売られていった。 ところがその中で反抗心を持った種もあり、ひとりが太平の執務室に乗り込んでくる。 その彼に対して太平は密かに脱出用に用意してあったヨットを与え、日本に行ったら未来にあって欲しいと話すのだった。

<第八章>"20兆6000億の息子のモト"
精子貯蔵庫が爆発を起こした。 その疑いをかけられたのがある無性人間だったが、彼女はリラに生き写しだった。 太平は彼女に夜な夜な会いに行っていた。 しかし、実は彼女は相当夫人であるリーチに時限爆弾を渡されていたのだ。 彼女をそうして殺そうとしたリーチであったが彼女はそれを精子貯蔵庫においてしまったのだった。 結局死刑を宣告されて、死刑反対に立ちあがっていた無性人間たちは大伴の命令で皆殺しにされる。 太平は嫌気が差して、太平天国を脱走する。 その先で彼が見たのは、ベトナムの南と北に別れて戦い合う無性人間たちの姿だった。

<第九章>"ばー"パイパニア"のマダムはなぜ黒滝英二郎を殺害したか"
未来はシャンゼリゼどおりのあるビルの地階で「パイパニア」という名のバーを経営していた。 彼女はそれを利用して、リラ殺害の命令を下した黒滝英二郎を殺す事に成功する。 その頃、太平天国では太平のゆくえがつかめず、木座神はついに「戦争ショー」の計画を大伴に持ち出す。 しかも、それを日本の小笠原諸島で行おうというのだ。
パイパニアの客で馬場のぼる氏が出演(p.74)。

<第十章>"羽田発22時便の客を襲え"
太平天国を脱走した無性人間たちは日本に来ていた木座神を殺害しようと計画を立てるが、失敗に終る。 一方、太平はラオスに密輸出されていた彼の精子で作られた無性人間のミンミンに出会う。 さらに木座神による密貿易によって被害を受けた猿大人と共に木座神の戦争ショーの妨害を思い付く。

<第十一章>"大いなる堤も蟻の一穴から崩れることもあるという例"
ミンミンたち無性人間たちはショーの妨害工作隊としてラオスを離れた。 無事小笠原諸島に近づくことは出来たが、事前演習にぶつかってしまい、そのほとんどが死に至る。 ミンミンは同様に妨害工作を敷いている未来と出会うが程なく息を引き取る。
馬場のぼる氏が出演(p.155)。

<第十二章>"オガサワラ4月1日事件"
未来の計画は成功し、木座神は自殺し、大伴は死刑となった。 さらに無性人間たちは世界各地で暴動を起こし、半数の人間の去勢手術を行った。 太平は太平天国へ連れて行かれ、未来と再会する。 精一杯リラの代わりを務めようとする未来だったが、太平はそんな未来を近づけなかった。

<参考文献:ホリデーコミックス>

『図版使用書籍』
手塚治虫漫画40年(1984年)
AERA No.8(1989年)
手塚治虫の世界(1989年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
こころにアトム(1995年)
月刊カドカワ9月号(1995年)
手塚治虫大全(1997年)
もっと知りたい手塚治虫(1997年)
手塚治虫全史(1998年)
SF Japan Vol.03 手塚治虫スペシャル(2002年)
手塚治虫記念館(第5刷)(2003年)
上を下へのジレッタ<完全版>(2008年)
手塚治虫美女画集(2014年)
pen 3月1日号(2018年)
僕らが愛した手塚治虫<推進編>(2018年)
pen+ 手塚治虫の仕事。(2020年)
手塚治虫語辞典(2023年)