Google
WWW を検索 手塚治虫のすべてを検索



[ライオンブックスリストへ][1957年作品リストへ]

ライオンブックスシリーズ
「複眼魔人」

発行日 種類 タイトル 発行所 判型 備考
1957年04月号
1957年05月号
- おもしろブック 集英社 B5判 付録 -
1958年12月10日 手塚治虫漫画選集3巻 黒い宇宙線 鈴木出版 A5判 - -
1980年02月29日 - ヒョウタンツギタイムス10・11合併号 手塚治虫ファンクラブ京都 B5判 復刻 -
1980年08月31日 - ヒョウタンツギタイムス12 手塚治虫ファンクラブ京都 B5判 復刻 -
1983年12月20日 手塚治虫漫画全集276巻 ライオンブックス7 講談社 B6判 -
1995年10月23日 集英社文庫 手塚治虫名作集20「くろい宇宙線」 集英社 文庫判 -
2008年05月03日 おもしろブック版 ライオンブックス2 小学館クリエイティブ B5判 完全復刻版
2011年06月 手塚治虫文庫全集134 ライオンブックスおもしろブック版 講談社 文庫判 -

『作品内容』
アー坊は戦争の爆弾で目をやられていた。 父親(ムッシュー・アンペア)と行きついた病院の医師もまた柱の下敷きとなっていた。 しかし、彼はアー坊に角膜の移植をしてくれた。 その角膜は良い人間と悪い人間を見分ける力を持っていた。 ある時アー坊は大本営の発表に異議を唱えてしまった。 彼らが嘘をついていたことが分かってしまったのだ。 親子ともども連行されてしまう。 そこでアー坊はその能力を買られ、スパイ容疑のかかった人達が嘘をついているかを見分けることになる。 いつしかアー坊は複眼魔人と呼ばれ恐れられていた。
そして8月15日を迎え、特高の下次少佐(ブクブック)はアー坊の力を恐れ殺してしまおうとする。 ある男(力有武)の力によってアー坊は逃げることに成功する。

あれから10年。 練馬中学の三人組高千穂佐々木、 石井(猿飛佐助)は山にハイキングにやってきた。 彼らはそこであのアー坊と彼の親代わりとなっている婆に出会う。 婆はアー坊が世間を知らないのは良くないと三人に街へ連れて行くように頼む。 アー坊は東京へ来たその日に下次少佐を見る。 その夜石井と歩いていたアー坊は10人ほどの男達に襲われる。 山で鍛えていたアー坊は彼らをやっつけるが、影に隠れていた男(ランプ)に銃で狙われる。 しかしこれもまた事無きを得ずに済ませる。

その次の日、三人組は東西南北(東南西北)と名乗る元特高の男にアー坊をある場所に連れ出すように頼まれる。 彼らはもちろんこれを断る。 アー坊は新聞に複眼魔人と書かれ、自らその目を突こうとしていた。 それを止める三人組。 そして佐々木はアー坊の父親のいる場所が分かったと告げる。 その場所、佐々木病院に行くと父親は既に下次らによって連れ去られ、アー坊をマミアナ公園に来るように手紙を置いていた。 そこでアー坊が連れて行かれたところは下次らが資金稼ぎのために秘密で開いていた賭博場だった。 そっと附いていった三人組の協力もあり、アー坊は父親を見つけるが、彼は精神を病んでいた。 さらにアー坊は元特高の眠によって怪我を負わされ、ある部屋まで逃げる。 倒れてしまったアー坊を助けてくれたのは賭博場のボーイと陳大人だった。 彼らはアー坊の怪我の手当てをしてくれた。 陳大人はシャンハイローズという女性であり、実は戦争中にスパイ容疑をかけられたが、アー坊によって無実を証明されていてずっと恩に感じていたのだ。 そしてボーイは彼女の息子だった。 ローズはもう一人の息子を殺した下次らに復讐するために陳大人と名乗り、彼らに近づいていたのだ。 アー坊は協力して復讐したいと申し出る。

アー坊が見つからずに仕方なく逃げた三人組は警察に行き、秘密の賭博場の話をする。 しかし田鷲警部等が行くと彼らの話した場所には何も無かった。 その頃、巷には複眼魔人と名乗り、いわゆる不正を暴く男が出没していた。 下次が総裁選をかけた党会議にも彼は現れる。 そして賭博場の話を洗いざらいぶちまけるのだった。 当然彼を下次は追うが逃げられてしまう。

その複眼魔人と三人組は出会い、怪人の格好などやめて学生服を着るように促す。 アー坊はその場から立ち去ろうとするが、父親を保護していると彼らに打ち明けられ心が動く。 そして東西は陳大人の正体を暴いており、アー坊と共にいるところに乗り込んでいく。 アー坊は最後に複眼魔人となり東西を倒し、下次をも手にかけようとする。 だが、突然アー坊の目はまともになり謝る彼の顔は普通に見えるようになってしまう。 普通の目になり喜ぶアー坊。 さらに彼は父親との再会も果たすのだった。

電車の乗客(p.138)でスカンクレッド公サボテン君アフィルが、 戦前は特高で戦後総理となる豚藻負児、 東京駅のホーム(p.149)でヒゲオヤジケン一ヒョウタンツギ、 賭博場のマネージャー(?)で田鷲警部、 クズ屋で馬場のぼる氏が出演。

<参考文献:講談社全集>

『図版使用書籍』
手塚治虫マンガ漫画館(1977年)
手塚治虫全百科(1981年)
手塚治虫まんが大研究(1982年)
手塚治虫漫画40年(1984年)
コミックボックス5月号(1989年)
手塚治虫の軌跡(1992年)
手塚治虫大全(1997年)
手塚治虫全史(1998年)
手塚治虫の奇妙な資料(2002年)
ROCKIN'ON JAPAN4月19日増刊号 SIGHT(2003年)
僕らの愛した手塚治虫(2006年)
芸術新潮2008年11月号(2008年)
僕らが愛した手塚治虫<復活編>(2016年)
手塚治虫表紙絵集(2016年)